アメリカNRCの昨年3.11以降の議事録発表のニュースには驚きました。しっかり詳細な議事録をとっていて、こうして公表するアメリカのシステムの凄さ。そして彼らが取った最悪のケースを想定しての迅速な80キロ避難指示!当然日本にもこの提案をしたはずですが、日本政府はこの提案を無視しました。人命よりもパニック回避(情報隠蔽)に走った時の政府に今なお限りない怒りを覚えます。この提案を受け入れていれば少なくとも原発周辺の村々の住民は被爆しないですんだのですから。政府は許されない国家的大犯罪を犯しました。
■守田敏也氏も今回のことをブログで言及しておられます。
・明日に向けて(411)アメリカは80キロ圏内退避をも日本政府に提起していた!
・明日に向けて(412)アメリカは300キロ以上の自主避難を検討していた :24日追加
■小出先生もたね蒔きジャーナルで「日本という国が本当に近代国家というような国ではなくて、情報自身の流れすらが恣意的に操作をされてしまっている」と嘆いておられます。タニガキさんのブログ「ぼちぼちいこか。。。」に文字起こし記事がありました。議事録に関する部分を転載させていただき、しっかり今回のことを本ブログでも記録に留めたいと思います。
2月22日【内容起こし】小出裕章氏:クウェートの原発政策中止とアメリカNRCの3月11日~の議事録情報開示@たね蒔きジャーナル
(水野氏)そして最初にお伝えしましたアメリカの原子力規制委員会が公表した内部文書のニュースなんですが、これはですね、小出さん、まず私が「あぁ、こういうことか」と思いましたのは、アメリカも事故直後から事態の深刻さをよく判っていて、最悪の事態を想定して人を逃がそうとしたわけですよね。
(小出氏)そうです。
(水野氏)ただ、その最悪の事態を想定した根拠は、いうても日本からのデータなんですよね?
(小出氏)はい。そうです。
(水野氏)つまり日本でも同じデータを使って同じような判断を下すことはできたというふうに小出先生は思われますか?
(小出氏)もちろんです。ですから、つい先日も原子力委員会の近藤さんという委員長がいるんですが、近藤さん自身が最悪のシナリオというのをその当時もう作っていて、250㎞先まで強制避難させなければいけなくなるということを当時から言っていたわけですし、私自身もそう思っていましたし、やはり米国が言った80㎞なんていうものは、
「まだ緩すぎる、ひょっとしたらばもっと酷いことになる」
というのに私も当時から思っていました。
言ってみれば専門家であれば当然そう思っていたのです。
(水野氏)だけど、原子力安全委員会は、結局そっちに動きませんでしたね?
(小出氏)はい。日本の場合には、とにかく住民のパニックを防ぐということが一番の重要項目になってしまっていて、被曝を避けるということは二の次にされてしまっていました。
(近藤氏)小出先生ね、パニックを防ぐっていうのは、いわばある種、自分たちにとってあまりいい結果をもたらさないという判断があるからだと思うんですよ。僕はマスコミの人間だから思うんですけどね、パニックを起こすか起こさないかというのは、我々が考えるべきことじゃないんです。住民サイドでそれを判断すべきことですから、必要な情報を僕は出すべきだと思うんですね。
(小出氏)はい。近藤さんがそう言ってくださるのは私は嬉しいです。でもマスコミという人たちがきちんと情報を出すということでやっていただきたいと思うし、もちろん政府だって情報をきちっと出す、そしてそれは住民自身が判断するというふうにしてほしいと私は願います。
(水野氏)ただ、この80㎞というふうにアメリカ政府が言っていた時、日本ではどうだったかといいますと、最初3㎞って言ってましたね。避難。
(小出氏)そうです。
(水野氏)で10㎞は屋内退避と。それから20㎞避難で30㎞までの方は屋内退避というふうに小出しだったんですよ。
でも、これももっと言えばメルトダウンしてる可能性を認めるか認めないかが大きく判断を左右したかと思うんですね。今回のことで判る一つは。
(小出氏)もちろんそうですけれども、ただし、既に12日、地震が起きて1日後には、1号機の原子炉建屋が吹き飛んでいるのですね。それはもう既に原子炉がメルトダウンしているということを示している、専門家であれば誰でもわかるのです。
ですから、その段階でもちろん米国の原子力規制委員会もそのことを判っているわけですし、場合によっては格納容器からの大量の放射性物質の放出があると彼らも考えたし、私も考えました。
ですから私は「逃げる準備をしてください」と言って12日に皆さんに警告しました。
(水野氏)そうですよね。その警告をなさっていることを知って、私たちたね蒔きジャーナルは小出先生に連絡差し上げて、3月14日からこうやって解説をしていただくことになり、14日のときに「1mでも遠くに逃げてください」と小出さんがおっしゃったのを覚えておりますが・・・。
じゃあ政府も判っていた。
(小出氏)だって東京電力が「もう放棄して撤退したい」と言ったんです。それで菅さんがそれを聞いて、これではダメだと言って東京電力に乗り込んで、撤退を許さないということがその時に起きていたわけで、当の本人である東京電力がもう持ちこたえることができないというくらいの判断をしていた時期だったのです。
(水野氏)うーーん。しかしながら、その情報が今回アメリカから入ってきてですよ、日本で開示されたわけじゃないんですね。
これをどう思われますか?
(小出氏)うーん。まぁ、この日本という国が本当に近代国家というような国ではなくて、情報自身の流れすらが恣意的に操作をされてしまっている、、失礼ながらマスコミもですね、そのことをきちっと報道しないでここまできてしまったということだと私は思います。
私は米国という国は実は大嫌いなのですけれども、それを除いて私のような個人的な好みを除けば、まだまだ米国の方がまともな国だと思います。
(水野氏)今回の資料でですね、事故の5日後にアメリカの原子力規制委員会の委員長は、三つの原子炉がメルトダウンすることを予測しているわけですよね。
ところが日本政府がメルトダウンを認めたのは、皆さん思いだしてください。それは5月のことでした。5月の半ば。二カ月以上たってメルトダウンを認めたんですよ。
結局そのことで、いち早く遠くに多くの人を逃がすことは日本政府できませんでしたよね。これはやはり、もしもアメリカと同じように80㎞圏外に出てくださいという判断をもしも事故直後にしていたならば、だいぶ違ってましたですか?
(小出氏)もちろんです。飯舘村というところは、原子力発電所から約40㎞~50㎞の圏内にあるのですが、そこが猛烈な汚染をしてしまっていたんですね。ですから、80㎞彼方まで逃がしていれば、飯舘村の人たちが被曝をしなくてすんだわけですし、そのことでいえば、南相馬市という20㎞圏内に含まれるような人たちは避難をしろと言われて逃げたのですが、逃げた先が飯舘村だった。ですから逃げなければ被曝をしなくてむしろ少なかったのですが、飯舘村に逃げてしまったがために不要な被曝をしてしまったということもあるわけですし、日本政府の判断という、指示の間違いのために被曝をしてしまった人がたくさんできてしまいました。
(水野氏)無用の被曝をさせられてしまった方がいらっしゃるわけですね。
近藤さん?
(近藤氏)これはやっぱり意図的にね、情報を操作してると思いますね。ですから、要するに議事録もないんだと思うんですよ。
(水野氏)日本の場合はね。アメリカはこんなに詳細にあるんですね。3000ページ。
(近藤氏)なおかつね、あの時の菅さんの動き方は、要するに官邸のカメラを付けて、いろんなヘリに乗ってどうのこうのしてるのはちゃんと写させて、それを配ってしてるわけですよ。
(水野氏)配ってるんですか?
(近藤氏)うん、自分のそういうものはちゃんと記録してね。
(水野氏)その余裕はおありになった・・・。
(近藤氏)なんかね、だからやっぱりその政権そのものが自分の保身と一緒に関わっているから、こういうけったいなことが起きてるんだと思うんですよね。
(水野氏)誰の身を守る政府なのかってことですよね。でも、当たり前なんですけど、アメリカってちゃんと議事録作ってるんですね。当たり前ですよね。録音もちゃんとあって、一語一句全部残ってるんですね。
はい。アメリカと日本の違いが非常によく判るニュースでした。
小出さん、ありがとうございました。
(小出氏)ありがとうございました。
【以上】
福島第1原発事故直後の10日間―米原子力規制委員会が開いた電話会議
2012年 2月 22日 9:51 JST
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